漫画透明なゆりかごを無料で立読み!産婦人科でアルバイトとして働いている、当時高校生の筆者が感じたことを漫画にしている内容です。
とても簡単な親しみのある力の抜けた絵柄なのですが、内容は産婦人科で起こる、小さな命としっかりと向き合っている話ばかりで、話しによってはほんとに考えさせられて、涙も流れるほど、深い内容になっています。
私は子供を産んでから、しばらくしてこの漫画の存在を知って、読んでみたら、自分の目の前に子供がいるということ、無事に産めたということ、また無事に妊娠できたこと、すべてがありがたいことで、奇跡に近いことだったのではと思うことができて、子育てできることに感謝できるようになりました。
1巻は、主人公がまだ産科に入ったばかりでいろんな妊婦に会うのですが、その中で、赤ちゃんを産んで、すぐに赤ちゃんを置いて病院から逃げてしまうお母さんの話でした。
結局お母さんは病院に戻ってきてくれて、赤ちゃんと家に帰っていたのですが、その後一か月たっても健診に来なくて、その後、赤ちゃんは亡くなってしまったという話で、もしかしたら、添い寝して、授乳していて、そのまま赤ちゃんの上に寝てしまったのではないかという話でした。
虐待かもしれないし、でももしかしたら、添い寝していてそのまま窒息してしまったのかもしれないし、どちらかは分からないけれど、赤ちゃんにとって、少しでも幸せな亡くなり方だったら、救いだという内容でした。
お母さんにもいろいろと事情があり、ひとりで産むことになって、精神的にもきつかっただろうなと思いました。でも赤ちゃんにとっては、どんなお母さんでもお母さん。
この漫画の良いところは、主人公が看護師というところかなと思います。当事者じゃないから、そして医療従事者の視点で、でもアルバイトの高校生なので、医者とう視点でもないです。高校生のアルバイトという視点だから、見やすく、そしてまだ赤ちゃんを産んだことのない女性の見方がなんだか少し冷静な感じもして、それがこの漫画の読みやすさにつながっているのかなと思います。
他の話も、妊娠後期で突然、胎児が亡くなってしまい、そのまま赤ちゃんを産んで、火葬するまでの間だけ、親子3人で過ごす内容だったのですが、可愛らしく眠っているだけで生きているような赤ちゃんなのに、亡くなっているなんて、読んでいて、ご両親の悲しさが伝わって、泣けて仕方なかったです。
この漫画は、読んでいて、ほんとにどんなお産でも奇跡なんだって、どの話を読んでも感じました。
この後2、3巻とこの漫画のファンになって、買い続けています。